市場で「別格」とされる東京湾ん大型の太刀魚。その多くを支えているのが、延縄(はえなわ)という漁法です。釣りファンには馴染みが薄いかもしれませんが、超高級の太刀魚を語るうえで欠かせない存在です。
WHAT IS延縄とは ― 一本の幹縄に、たくさんの針
延縄は、一本の長い幹縄(みきなわ)に、枝のように多数の釣り針(枝縄)を等間隔で付けて海に流す漁法です。広い範囲に多くの針を展開できるため効率がよく、古くから多くの魚種で使われてきました。針一本ずつに掛かるので、網を使う漁と異なり、魚への負担が比較的少なく、良型を傷つけずに獲りやすいのが特長です。
VS ANGLING釣り(遊漁)との違い
私たちが船宿から楽しむテンヤやジギングは「遊漁」、つまりレジャーとしての釣りです。一方、延縄は魚を商品として水揚げする商業漁法。目的も規模もまったく異なります。だからこそ、太刀魚の「サイズの計り方」も立場で変わります(漁師は重さ、釣り人は指の本数と長さ)。延縄でとれた太刀魚は市場という土俵で評価される、いわば“プロの一尾”なのです。
WHY PREMIUMなぜ延縄の太刀魚は高く評価されるのか
理由は大きく二つ。まず、傷の少ない良型を丁寧に揚げられること。身がやわらかく鮮度落ちの早い太刀魚にとって、扱いの丁寧さはそのまま品質に直結します。もう一つは、ブランド力。良質な大型が水揚げされる東京湾の太刀魚は、市場で高い評価と価格を得ています。スーパーの手頃な切り身と、料亭に並ぶ一尾――その差の一端を、延縄漁が担っているわけです。