
ここ数年、東京湾の釣りで一大ブームとなっているのがトラフグです。かつては関西のイメージが強かった超高級魚が、なぜ東京湾でこれほど釣れるようになったのか。その背景と、いま最も熱い最盛期の狙い方を紹介します。
WHYなぜ東京湾でトラフグが増えたのか
大きな要因は2つあります。ひとつは稚魚の放流。神奈川県水産技術センターが2006年からトラフグの稚魚放流を続けており、その効果が表れていると考えられています。もうひとつが産卵回帰。トラフグは生まれた海に戻って産卵する性質があるとされ、放流されて外海で大きく育った個体が、産卵のために東京湾へ戻ってきていると見られています。
さらに近年は、東京湾内での天然繁殖も確認されました。神奈川県水産技術センターの調査では、荒川河口の葛西臨海公園近くの海岸で、生後約1か月・全長1〜4cmほどの稚魚がおよそ100匹見つかり、天然魚と判断されています。放流と自然繁殖の両輪が、東京湾のトラフグ増加を支えているのです。資源が育てば、それを狙う釣りが盛り上がるのは自然な流れと言えます。

SEASON年末のカットウ、そして春の大ブーム
トラフグ釣りには、年末から楽しむカットウ釣りもありますが、いま最も盛り上がるのは3月末〜4月末の産卵期です。この時期は産卵で接岸した特大トラフグが狙え、「X DAY」と呼ばれる大爆釣日を求めて多くの釣り人が押し寄せます。とくに千葉方面の人気船は、平日でも予約で埋まり続けるほどの過熱ぶり。一年でこの数週間に、釣り人の熱気が集中します。
METHOD進化する釣り ― ノッコミは「かっとうを付けない」
釣り方も年々進化しています。従来は餌を抱かせ、掛け針(カットウ)で引っ掛けて掛ける釣りが主流でした。しかし産卵期(ノッコミ)のトラフグ釣りでは、カットウを付けない食わせスタイルが主流になりつつあります。大型をしっかり食わせてから掛ける、よりゲーム性の高い釣りへと変化してきているのです。タックルや仕掛けも各船・各エキスパートの工夫で日々アップデートされています。

トラフグは非常に硬く鋭い歯を持ち、噛む力はペンチを曲げるほどです。したがって、噛まれることで指が切断させる事故が毎年起こっています。針を外すときなどは必ずペンチなどの道具を使いましょう。また、部位によって強い毒を持ちます。調理は必ず、ふぐ調理の資格を持つ専門店・有資格者に。自分でさばくことは絶対に避けてください。多くの船宿では、釣ったフグの処理を提携先で行ってくれます。
出典:神奈川県水産技術センターの放流・調査に関する報道等。最新の放流状況・資源動向・遊漁ルールは、各機関や船宿の発表を必ずご確認ください。