XYOUTUBE
TOKYO BAY

横須賀沖の台船 ― 港湾工事が生む、タチウオのポイント

HOMETOKYO BAY横須賀沖の台船 ― 港湾工事が生む、タチウオのポイント

TOKYO BAY 2026.06.26

横須賀の沖に出ると、海上に係留された大きな平らな船――「台船(だいせん)」を見かけます。作業用の船で、一見すると殺風景な存在。けれど、その背景には横須賀の海をよくするための取り組みがあり、そして台船まわりは、じつはタチウオの好ポイントにもなっています。ただの作業船と侮れない、奥行きのある存在なのです。

BARGE台船とは ― 港湾工事を支える作業船

台船は、土砂や資材の運搬、海上工事などに使われる平たい船です。横須賀港では港湾の整備や浚渫(しゅんせつ:海底の土砂をさらう工事)が行われており、そこで土砂を運び、投入するために台船が活躍します。沖に浮かぶ台船は、いわば「いま横須賀の海で工事が進んでいる」という証でもあるのです。

BACKGROUND背景にある「漁場づくり」 ― 市・防衛省・漁協の協働

横須賀市は、良好な海辺環境(浅海域)の保全・再生を進めています。市の資料によれば、追浜地区で干潟などの「浅海域」を再生し、市民が海に親しめる場として整備。あわせて、良好な漁場環境を創出するため、防衛省や横須賀市東部漁業協同組合と協力して「浅場造成」を行っています。

その実施方法がユニークで、近隣の長浦地区で行われる防衛省の浚渫工事などで発生した土砂を有効利用し、横須賀市が事業者、防衛省が施工者となって整備を進めるというもの。工事で出た土砂を、魚たちのすみかとなる豊かな浅場へと生まれ変わらせているのです。台船が運ぶ一杯の土砂が、未来の漁場をつくっている――そう考えると、沖の台船の見え方も変わってきます。

WHYなぜ台船まわりがタチウオのポイントになるのか

海の上にぽつんと浮かぶ大きな構造物は、それ自体が魚を呼びます。船体やアンカーロープ、その影は小魚やエビ・カニの隠れ家となり、エサが集まれば、それを狙う魚も寄ってきます。さらに、潮の流れが構造物に当たって生まれる変化も、魚を寄せる大きな要因です。

こうした条件は、タチウオにとっても格好の狩場。台船まわりに集まったベイト(小魚)を狙って、銀色の刀が回遊してきます。加えて、造成された浅場のように生物が増えた海域は、食物連鎖全体が豊かになり、タチウオを含むさまざまな魚を育てます。台船という“点”と、漁場づくりという“面”の両方が、横須賀沖の魚影を支えているのです。

※整備中の干潟や潜堤などは大変危険で、立入が禁止されています。台船など作業船・工事区域には絶対に近づかないでください。背景情報は横須賀市「横須賀港における浅海域の保全・再生について」を参照。釣りは船長の指示と各種ルールに従って安全に楽しみましょう。

RELATED関連記事