
トラフグ釣りといえば春の産卵期が有名ですが、じつは年末にも見逃せない釣りがあります。最近、浦賀の船や金沢八景の野毛屋さんなどが出している中層狙いのトラフグ釣りです。1kgに満たない小型が中心ながら、味も釣りの面白さも一級品。知る人ぞ知る、冬のお楽しみです。
TASTE小型なのに旨い ― 産卵にエネルギーを取られていない身
この時期のトラフグは1kg未満の小型が主体です。けれど「小さい=物足りない」ではありません。むしろ逆。産卵にエネルギーを持っていかれていないぶん、身に旨みがぎゅっと凝縮されているのです。釣りたてをてっさ(薄造り)で味わえば、その美味しさは歴然。産卵期の大型とはまったく別物の、澄んだ甘みと締まった食感に驚くはずです。サイズの数字だけでは語れない価値が、この冬の小型トラフグにはあります。
GAME棚当てゲーム ― 中層のフグを探し出す面白さ
釣りとしての魅力は、なんといっても「棚(タナ)当て」のゲーム性にあります。底べったりではなく中層にいるトラフグを、どの水深にいるのか探り当てていく――この一手が釣果を分けます。アタリのあった棚を素早く見つけ、再現できるかどうか。頭を使う釣りだからこそ、ハマると抜け出せません。
TACTICS数を伸ばすコツ ― 周りを味方につける
このタナ当てを一人で続けるのは大変です。そこで効くのが、周囲の人を味方につけること。誰かにアタリがあったら、その棚を即座に共有し合う。船の上の人数ぶんだけ「情報のアンテナ」が増え、正解の棚にたどり着くスピードが格段に上がります。チャンスの数を、人数ぶんに広げるイメージです。
知り合い同士で乗るなら、さらに効果的な方法があります。それぞれが探る棚を5mずつずらして試すのです。こうすれば一度に広い層を効率よくサーチでき、当たり棚が一気に見つかります。実際、この作戦と考える釣り人さんのYouTube動画での予習を組み合わせて、昨年はつ抜けを達成できました。情報戦を制する者が、中層トラフグを制します。
POINT
アタリは即・共有。知り合いとは棚を5mずらして“面”で探る。事前のYouTube予習も効果絶大です。
※トラフグは部位によって強い毒を持ちます。調理は必ず、ふぐ調理の資格を持つ専門店・有資格者に。自分でさばくことは絶対に避けてください。多くの船宿では提携先での処理に対応しています。